自作オリジナル・二次創作のイラスト絵・小説物語・ゲーム・音楽曲などを公開。
むー、作ったことをすっかり忘れていたわい。ずーっと前の、「通り道といつものこと」のお店の曲のつもり、らしい。
URL : http://garahebi.cool.ne.jp/sound/tokeez-10.mp3
曲名 : 時計仕掛けの階段
作曲 : がらへび
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曲名 : 時計仕掛けの階段
作曲 : がらへび
工場からの帰り。
「肉団子、二つ。」
「やーねー、また呆けちゃって。」
と、あほなことをしている。どうもここはパン屋のようだが、いつもこんな感じ。それでも、店員のしもは、ショーケースから手際よくえり抜いてお盆に盛っていく。
こいつは、問答から意義を感じ取ってパンを選び出すセンスを持っている。
と、かたは思い込むようにしている。どうせ売れ残りになりそうなものを押し付けてくるんだ。いちゃもん付けようものなら、怒涛の営業トークで圧倒される。そして気付けば店の外、パン袋を抱えて家路に着こうとする自分。また買わされてしまった、と知るのだ。
はっ・・しまった!
既に、かたは店の外にいた。もちろん、パン袋を抱えているし、何しろ、財布は軽くなっている。やられた、とまた思った。すぐにパン袋の中を確かめる。
がさごそ。むむう、いささか形の悪いものが多いが、今回はなかなか上等? (飽くまで、この前に比べれば、ではある)
などと分析しつつ。お、見慣れないものが。この小さな包みはなんだ?
袋の中には、リボンの掛けられた包みがあった。
・・・そうだ、これに騙されたのだった。
あらすじはこうだ。
あっちこっちから怪しいパンを集めるしもに、ついつい口が出てしまったのだ。
「あのな、これはな、パーティー用のだから・・。」
「ん? そうなん? じゃあ、これなんかいいんじゃない? ほら、このドーナッツ。たこみたいな吸盤がみんなの笑いを誘う、まさにパーティー仕様!」
「それは揚げ途中にむやみに突っついたから、身が漏れただけだろ・・。」
聞く耳持たず、ずこずこと海洋生物が積み上げられていく。
「で、何のパーティー? もっと具体的に分かれば、ドンピシャの逸材、あるかもよ?」
「次は何を売り付ける気だ・・。三葉虫? シーサーペント?」
「んー、惜しいなあ、多分この辺りのがそのパーティーに合うんじゃないかなあ、って思ってさ。」
しもがトングで指したところにあったのは、またもキッカイなもの。
「何、白鳥? それは結構な品だな。」
「ネッシー!」
「いらん、そんなもん! 海洋生物でもないし。」
「え? 海洋生物?」
しもがあっけにとられている。吸盤ドーナッツでも、ないよりましだ、腹の足しになるだろう。今だ、小銭を置いてとっとと帰ろう。
「誕生日だよ、誕生日。」
かたはそう言葉を残して、軒をくぐろうときびすを返した。
そのとき、しもがぱっと、かたの前に回り込んだのだ。
後ろ手に組んで、かたを覗き込む。
「なあんだ、それならそう言えばいいのに。」
「何も変わらないだろ、予めそう言ったって。」
しもはカウンターの裏へ行くと、箱と紙とリボンを取り出して、ささっときれいなプレゼントを作ってしまう。
「はい、これ。」
「何を入れたんだ? 今度は。」
「ふふーん、なんだろうね? こういうお客さん用に、用意してあるんだよ。このお店オリジナルの贈答ほにゃらら。」
「ほにゃらら? やっぱり奇々怪々の類だな・・。」
・・で、これなわけだ。実は今日、誕生日。それは、かたの誕生日。
自分でパーティー用とでも銘打ってパンを買って、そんなときにプレゼント用なんて渡されて。なんだか、みじめに感じて、店を早く出たくなって、それで。
くそう、なんでこんなときに抱き合わせ販売で三葉虫をもらわにゃならんのだ。三葉虫ではないかもしれないけど、そんなことはどうでもいい。
なんだか、しもから馬鹿にされたようにさえ錯覚してしまう。
思考を投げ付ける当てもないまま、帰路。日も落ちた、寒い、早く帰ろう。
暗い部屋に着き、机にパンを散らす。
小さな明かりのもと、一人だけのパーティーを開く。
ついでに、オリジナル贈答品の包みも開いた。
あれ、三葉虫じゃない?
がさがさ。
「ははっ、覚えてたんだな、あいつ・・。」
入っていた紙切れ。走り書き。
『おめでとう、かた』
「いーえ、気になさりませんこと? かたさん?」
そうだった、どうでもいいんだった、あははっ。そして、いつものしもの前で、また、パンを買うかたがいた。

文章:がらへび
絵:びこた
「肉団子、二つ。」
「やーねー、また呆けちゃって。」
と、あほなことをしている。どうもここはパン屋のようだが、いつもこんな感じ。それでも、店員のしもは、ショーケースから手際よくえり抜いてお盆に盛っていく。
こいつは、問答から意義を感じ取ってパンを選び出すセンスを持っている。
と、かたは思い込むようにしている。どうせ売れ残りになりそうなものを押し付けてくるんだ。いちゃもん付けようものなら、怒涛の営業トークで圧倒される。そして気付けば店の外、パン袋を抱えて家路に着こうとする自分。また買わされてしまった、と知るのだ。
はっ・・しまった!
既に、かたは店の外にいた。もちろん、パン袋を抱えているし、何しろ、財布は軽くなっている。やられた、とまた思った。すぐにパン袋の中を確かめる。
がさごそ。むむう、いささか形の悪いものが多いが、今回はなかなか上等? (飽くまで、この前に比べれば、ではある)
などと分析しつつ。お、見慣れないものが。この小さな包みはなんだ?
袋の中には、リボンの掛けられた包みがあった。
・・・そうだ、これに騙されたのだった。
あらすじはこうだ。
あっちこっちから怪しいパンを集めるしもに、ついつい口が出てしまったのだ。
「あのな、これはな、パーティー用のだから・・。」
「ん? そうなん? じゃあ、これなんかいいんじゃない? ほら、このドーナッツ。たこみたいな吸盤がみんなの笑いを誘う、まさにパーティー仕様!」
「それは揚げ途中にむやみに突っついたから、身が漏れただけだろ・・。」
聞く耳持たず、ずこずこと海洋生物が積み上げられていく。
「で、何のパーティー? もっと具体的に分かれば、ドンピシャの逸材、あるかもよ?」
「次は何を売り付ける気だ・・。三葉虫? シーサーペント?」
「んー、惜しいなあ、多分この辺りのがそのパーティーに合うんじゃないかなあ、って思ってさ。」
しもがトングで指したところにあったのは、またもキッカイなもの。
「何、白鳥? それは結構な品だな。」
「ネッシー!」
「いらん、そんなもん! 海洋生物でもないし。」
「え? 海洋生物?」
しもがあっけにとられている。吸盤ドーナッツでも、ないよりましだ、腹の足しになるだろう。今だ、小銭を置いてとっとと帰ろう。
「誕生日だよ、誕生日。」
かたはそう言葉を残して、軒をくぐろうときびすを返した。
そのとき、しもがぱっと、かたの前に回り込んだのだ。
後ろ手に組んで、かたを覗き込む。
「なあんだ、それならそう言えばいいのに。」
「何も変わらないだろ、予めそう言ったって。」
しもはカウンターの裏へ行くと、箱と紙とリボンを取り出して、ささっときれいなプレゼントを作ってしまう。
「はい、これ。」
「何を入れたんだ? 今度は。」
「ふふーん、なんだろうね? こういうお客さん用に、用意してあるんだよ。このお店オリジナルの贈答ほにゃらら。」
「ほにゃらら? やっぱり奇々怪々の類だな・・。」
・・で、これなわけだ。実は今日、誕生日。それは、かたの誕生日。
自分でパーティー用とでも銘打ってパンを買って、そんなときにプレゼント用なんて渡されて。なんだか、みじめに感じて、店を早く出たくなって、それで。
くそう、なんでこんなときに抱き合わせ販売で三葉虫をもらわにゃならんのだ。三葉虫ではないかもしれないけど、そんなことはどうでもいい。
なんだか、しもから馬鹿にされたようにさえ錯覚してしまう。
思考を投げ付ける当てもないまま、帰路。日も落ちた、寒い、早く帰ろう。
暗い部屋に着き、机にパンを散らす。
小さな明かりのもと、一人だけのパーティーを開く。
ついでに、オリジナル贈答品の包みも開いた。
あれ、三葉虫じゃない?
がさがさ。
「ははっ、覚えてたんだな、あいつ・・。」
入っていた紙切れ。走り書き。
『おめでとう、かた』
「いーえ、気になさりませんこと? かたさん?」
そうだった、どうでもいいんだった、あははっ。そして、いつものしもの前で、また、パンを買うかたがいた。

文章:がらへび
絵:びこた



